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後見制度の利用相談は三浦行政書士事務所へ

成年後見制度の利用

後見

成年後見制度は、精神上の障がい(認知症・知的障がい・精神障がい)によって判断能力が不十分であるために、契約など法律行為の意思決定が困難な人に対し、第三者が本人を代理して「財産管理」「身上監護」を行う制度で、平成12年の民法改正によって新たな「成年後見制度」としてスタートしました。その存在は少しずつ知られてきてはいますが、高齢化や介護保険制度の多様化で社会が大きく変化し、日々の自立した暮らしに困難を抱える人が増加していく一方で、成年後見制度が十分に理解・活用されていないのが現状です。

 

新しい制度の特徴

 

(1) 「禁治産」、「準禁治産」の用語廃止

“財産を治めることを禁じられた”という誤った認識により、差別を受ける可能性に配慮し、「後見」、「保佐」に改められ、また、より軽度の障がいでも利用できるよう「補助」を加えた。

(2) 配偶者後見制度の廃止

夫婦の場合、必ず一方の配偶者が「後見人」、「保佐人」にならなければならないとした民法の規定を廃止し、複数の後見人等による支援や法人による支援も可能となった。

(3) 任意後見制度の導入

判断能力があるうちに、任意後見人と財産管理・身上監護に関する代理権の付与等を内容とした契約の締結が可能となった。

(4) 戸籍記載の廃止

戸籍に記載することにより、様々な偏見が生まれていた状況を改善するため、戸籍記載を廃止する代わりに後見登記ファイルへの登記をすることとなった。

(5) 市町村申し立ての導入

身寄りがいないなどの理由で申立ができない場合を考慮し、市町村長に申立権が与えられることになった。

新しい成年後見制度は、精神上の障がい(認知症・知的障がい・精神障がい)によって判断能力が不十分な人たちを支える重要な手段であるにもかかわらず、これまで十分に利用されていません。
これを鑑み、「成年後見制度の利用の促進に関する法律」が平成28年4月15日に公布され、同年5月13日に施行されました。政府においては、今後、この法律に基づき、成年後見制度利用促進基本計画を定め関係府省が連携して、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するとされています。

後見制度の種類と内容

 

法定後見制度

 

【内容】

認知症・知的障がい・精神障がい)によって、判断能力が不十分である人の財産管理や身上監護に関する事務を、家庭裁判所から選任された成年後見人等が支援する制度。

【支援される方】

@ 判断能力が欠けているのが通常の状態の方(後見)
A 判断能力が著しく不十分な方(保佐)
B 判断能力が不十分な方(補助)

【手続き】

申立人(本人、配偶者、四等身内の親族、市町村長など)による申立てに基づき、家庭裁判所が後見審判をし、後見人の選定を行う。

 

 

任意後見制度

 

【内容】

十分な判断能力があるうちに、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に、自身の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を公証人の作成する公正証書により締結しておき、判断能力が不十分な状態になる場合に備えるための制度です。

【支援される方】

判断能力に問題がなく、締結しようとしている任意後見契約等の内容が理解でき、その契約締結の意思がある方

【手続き類型】
(1) 即効型

本人の判断能力に若干問題はあるものの、まだ意思能力がある段階で任意後見契約を締結し、直ちに家庭裁判所に任意後見監督人の選任申立てをして、同契約を発行させる方法。

(2) 将来型

本人が十分な判断能力を持っているうちに任意後見契約を締結し、その後、本人の判断能力が不十分となった時点で、家庭裁判所に任意後見監督人の選任申立てをして、同契約を発行させる方法。

(3) 移行型

認知症などによる判断能力の低下が発生するまでの間に、本人の財産管理等を行う事務委任契約と任意後見契約とを合わせて行う方法で、本人に判断能力があるうちは、事務委任契約の内容に基づき「見守り」や「財産管理」を行い、判断能力がなくなった時点で、家庭裁判所に任意後見監督人の選任申立てをして、任意後見契約を発行させる方法。

 

 

後見制度

 

 

 

法定後見と任意後見の違い

法定後見と任意後見の一番大きな違いは、後見人を選任する時期が本人の判断能力が不十分になる「前」か「後」かということです。
意思決定ができる状態で締結する任意後見契約により、本人の代理人(任意後見人)となる候補者と、その任意後見人の権限の範囲や本人の希望・意思などをあらかじめ定めておくことができるため、本人の利益保護に加えて自己決定の尊重が図れます。

 

法定後見

任意後見

制度概要

判断能力が不十分になった場合、家族等の申立てにより家庭裁判所が選任した後見人等が本人を支援する制度 判断能力が不十分になった場合、あらかじめ信頼できる人と締結した任意後見契約(公正証書)に従って本人を支援する制度

利用概要

判断能力が不十分になった時に、本人・配偶者・四親等内の親族・市町村長などが家庭裁判所に申し立てる

判断能力が不十分になった時に、任意後見受任者や本人,配偶者・四親等内の親族などが家庭裁判所に「任意後見監督人」の選任を申し立てる
判断能力があるうちは、必要に応じて「事務委任契約(見守り契約)」に基づく支援を受けたり、「死後事務委任契約」を締結し、本人死後の事務処理を任せる場合もある

後見人等の選任 後見人、保佐人、または、補助人が家庭裁判所により選任される 本人が選んだ任意後見人を監督する「任意後見監督人」が家庭裁判所により選任される
支援内容 後見人、または、家庭裁判所が決定する 「事務委任契約(見守り契約)」、「任意後見契約」、または、「死後事務委任契約」の内容に基づく
報酬 家庭裁判所が決定する 同上
支援終了

・本人の障がいの回復、または、死亡

 

・後見人等の辞任(正当な事由に限る)

 

・本人の親族からの解任請求(正当な事由に限る)

・「任意後見監督人」選任前
本人・任意後見受任者の一方からいつでも契約解除ができる
・「任意後見監督人」選任後
本人・任意後見人は、正当な事由があるときに家庭裁判所の許可を得て契約解除ができる

 

後見制度の利用状況 〜最高裁判所「成年後見関係事件の概況」〜

平成28年末時点での後見制度利用者数は、約20万人を超えているものの、この制度を利用すべき人の数が860万人を超えていることを考えれば、いまだに利用の低調は明らかです。利用類型別の割合は、「後見」 約79%、「保佐」 約15%、「補助」 約5%、「任意後見」 約1%となっており、また、支援される本人と支援する人との関係は、配偶者、子、その他親族が28%、親族以外の第三者の割合は72%と、弁護士、司法書士、行政書士、社会福祉士などの職業後見人が選任される割合は拡大しています。

 

「後見」制度の利用事例

利用概要

本人は5年程前から物忘れがひどくなり、勤務先の直属の部下を見ても誰かわからなくなるなど次第に社会生活を送ることができなくなりました。日常生活においても、家族の判別がつかなくなり、その症状は重くなる一方で回復の見込みはなく、アルツハイマー病と診断され2年前から入院しています。
ある日、本人の弟が突然事故死し、本人が弟の財産を相続することになりました。弟には負債しか残されておらず、困った本人の妻が相続放棄のために後見開始の審判を申し立てました。
家庭裁判所の審理を経て、本人について後見が開始され、夫の財産管理や身上監護をこれまで事実上担ってきた妻が成年後見人に選任され、妻は、本人に代理し相続放棄の手続きをしました。

 

「保佐」制度の利用事例

利用概要

本人は1年前に夫を亡くしてから一人暮らしをしていました。以前から物忘れが見られましたが、最近症状が進み、買物の際に1万円札を出したか5千円札を出したか分からなくなることが多くなり、日常生活に支障が出てきたため、長男家族と同居することになりました。隣県に住む長男は、本人が住んでいた自宅が老朽化しているため、この際自宅の土地、建物を売りたいと考えて、保佐開始の審判の申立てをし、併せて土地、建物を売却することについて代理権付与の審判の申立てをしました。
家庭裁判所の審理を経て、本人について保佐が開始され、長男が保佐人に選任されました。長男は、家庭裁判所から居住用不動産の処分についての許可の審判を受け、本人の自宅を売却する手続きを進めました。

 

「補助」制度の利用事例

利用概要

本人は、最近米を研とがずに炊いてしまうなど、家事の失敗がみられるようになり、また、長男が日中仕事で留守の間に、訪問販売員から必要のない高額の呉服を何枚も購入してしまいました。困った長男が家庭裁判所に補助開始の審判の申立てをし、併せて本人が10万円以上の商品を購入することについて同意権付与の審判の申立てをしました。
家庭裁判所の審理を経て、本人について補助が開始され、長男が補助人に選任されて同意権が与えられました。その結果、本人が長男に断りなく10万円以上の商品を購入してしまった場合には、長男がその契約を取り消すことができるようになりました。

 

「任意後見」制度の利用事例

利用概要

本人は、長年にわたって自己の所有するアパートの管理をしていましたが、判断能力が低下した場合に備えて、長女との間で任意後見契約を結びました。その数か月後、本人は脳梗塞で倒れ左半身が麻痺するとともに、認知症の症状が現れアパートを所有していることさえ忘れてしまったため、任意後見契約の相手方である長女が任意後見監督人選任の審判の申立てをしました。
家庭裁判所の審理を経て、弁護士が任意後見監督人に選任されました。その結果、長女が任意後見人、アパート管理を含む本人の財産管理、身上監護に関する事務を行い、これらの事務が適正に行われているかどうかを任意後見監督人が定期的に監督するようになりました。

 

 

 

成年後見制度利用のサポートをします

コスモス

“老後や病気になった時の面倒は家族や親族がみるもの”という考え方は、家族制度や家族構成の変化に伴い、見直す必要があるのかもしれません。「成年後見制度」を利用する方は年々増加している反面、制度を悪用した横領などの犯罪も起こっています。安心して制度を利用するためには、公正なチェック体制が不可欠となります。当事務所は、全国の行政書士のうち、成年後見に関する十分な知識・経験を有する者を正会員として組織する一般社団法人「コスモス成年後見サポートセンター」の会員として登録されています。

 

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